芝生は「敷居が高く、高度なもの」ではなくて、あらゆる場所にあるべきもので各場所の条件(面積、利用内容、利用者数等々)によって底辺から高級な芝生までの芝生があります。
維持管理は芝刈り、水やり、施肥を中心とし、住民、行政、業者等が共同で行うことによって低コストな芝生化が可能となります。
「鳥取方式」の芝生化とは
屋外での遊びやスポーツをするのに転んでも痛くなく、怪我の心配も無い天然芝生は、思いっきり動き回れるので、土のグラウンドよりずっと楽しい。
グリーンスポーツ鳥取が考える「芝生」とは
種類を問わないで草や芝を
頻繁に刈って出来上がった
転んでも痛くない絨毯のような形状
特に子供にとって一番身近にある広場(プレイグラウンド)は学校(保育所、幼稚園を含めて)の校庭であり、身体を動かす楽しさと基本動作を覚える貴重な場所であり、この校庭を芝生化する意義は大きいと考えている。
校庭や近所の公園などの広場(プレイグラウンド)には、ゴルフ場や競技場のように隅々まで手入れされた高度な芝生は必要ではないと考えており、年間維持管理経費が㎡あたり23円~150円程度の芝生を導入することを提案しています。この場合の維持管理は、芝刈り(刈りっぱなし)、施肥、灌水が中心で、原則として除草や薬剤散布は一切行いません。
施工に関しては特殊な場合以外は暗渠排水や土壌改良などは必要ないと考えます。その代わり、勾配をつけることで表面排水を確保することができ、さらに低予算での芝生化が可能となります。
もちろん、利用内容・競技レベル・利用頻度が高度になるとグラウンド造成費や芝生の維持管理費も高くなりますが、「鳥取方式」ではそれぞれのケースに応じて最適な造成法と維持管理内容を選択して提案しています。維持管理で全てに共通しているのは芝刈り・施肥・散水を中心としており、芝刈りは刈りっぱなし、「草抜きをしない、除草剤を使わない」ことです。
自然型芝生化
自然に生える野草を月2回~4回の芝刈りで空き地や河川敷を芝生化する場合。
河川敷の芝生化
通常の河川敷(鳥取市内:国土交通省管理)

管理の仕方を変えるだけで作る芝生

ポイント
- 頻繁に芝刈りをすることで背丈の低い草にも均等に日光が当たり、地面に生え揃う条件を作りだし、密度も増していく。
- 乗用型芝刈り機での刈りっぱなし。
- 種、苗、肥料は一切使用していない。
ポット苗移植による芝生化
テイフトン419のポット苗を㎡あたり4株移植。保育園・幼稚園(芝生面積:3〜5歳児1人あたり10㎡以上)、小学校(1人あたり15㎡以上)の場合。
植付けに関しては6月中旬から下旬が最適期です。ポット苗は1株23円(送料別、税別)です。
「鳥取方式」によるポット苗の移植作業





移植後3ヶ月間は体育授業やスポーツの練習などの激しい使用は避ける。
(歩いたり、走って通り抜けること、座り込むことは制限しない)
又、最初の3ヶ月間は大人数が参加するイベント(運動会、納涼祭、夕涼み会など)の実施を控える方がいい。
ロール芝による芝生化
現在該当場所を検討中。
ロール芝による芝生
35m×50cmのティフトンロール芝を児童らと一緒に芝張り作業

養生期間無しで利用し、半年後

移植後3ヶ月間は体育授業やスポーツの練習などの激しい使用は避ける。
(歩いたり、走って通り抜けること、座り込むことは制限しない)
又、最初の3ヶ月間は大人数が参加するイベント(運動会、納涼祭、夕涼み会など)の実施を控える方がいい。
ビッグロールによる芝生化
保育園・幼稚園(芝生面積:3〜5歳児1人あたり5㎡未満)の場合と生徒1人当たりの芝生面積が5㎡未満の小学校。「鳥取方式」による芝生の維持管理についていずれの施工法でも,その後の維持管理は基本的に同じ基準で行うが施肥の量を増やす必要があります。
13.2m × 76cmのティフトンロール芝を専門業者が施工する
大規模なスタジアムなどはこの方法を利用する場合もあります。





鳥取方式による芝生の維持管理
基本的に維持管理は同じ基準で行ないますが気候、利用状況によっては維持管理の作業が変わることもあります。
夏芝の管理
灌水
- 移植後1ヶ月間は出来れば1日1回灌水する(晴天時のみ)。その後は降雨がない場合に週1~2回灌水する。
- 真夏の雨がない猛暑は毎日朝晩しっかり潅水する(それぞれ45分程度)。
- (大面積の場合は溜め池・河川からポンプアップ:吐出口径50~80mm)
施肥
- (6~9月) 初期の成長を促進する目的で、移植直後(理想は当日)に1回施肥をし、その後の2ヶ月間は2週間間隔で行う。移植後3ヶ月以降は月1回、散布機で全面に散布する。
- 2年目以降は3月〜12月まで月1回、散布機で全面に散布する。当然、積雪の場合は施肥はする必要はないです。
肥料
- NPK化成肥料(12-12-12%~16-16-16%程度の肥料成分を含むもの)
月間施肥量
- ㎡当り成分で4~6g(1,000m2当り12%化成肥料33kg~50kg)
芝生の利用
- 移植後3ヶ月間は体育授業やスポーツの練習などの激しい使用はさける。普段の園庭や校庭の利用は制限しない。つまり、養生期間を設けないこと。
芝刈り
- 移植後5週間程経ってから刈り高を4cmで芝刈りを開始する。その後は「6cmになったら刈る」という原則で芝刈りをする。目安として週1回。ポット苗が広まる前にその他の草が伸びた場合は抜かない。刈りカスを集めず、いわゆる「刈りっぱなし」が原則です。
冬芝のオーバーシーディング
種子
- インターミディエトライグラス(夏の高温に弱い品種)を毎年購入する。
播種時期
- インターミディエトライグラス(夏の高温に弱い品種)を毎年購入する。
播種時期
- 9月中旬~9月下旬(関西・中四国沿岸部)。これは初年度も2年目以降も同じです。
播種前の準備
- 播種1ヶ月前からティフトンの芝刈りの高さを少しずつ低くしていく。播種前日または当日に2~3cmの高さで全面を芝刈りする。
播種
- ㎡あたり30g~40g(1,000㎡あたり30kg~40kg)。均一に散布するために、肥料(種子)散布機で2回に分けて縦横に散布する。播種直後に灌水した後、1週間は雨が降らなければ週2回程度の灌水を行う。
冬芝の管理
芝生の利用
- 播種後3週間は運動会のような大人数のイベント、又は部活のようなスパイクを履いて行う激しい利用は避けてる必要があります。普段の利用は特に問題はありません。
施肥
- 施肥量1,000㎡あたり12%化成肥料16kg~25kgを播種直後と1ヶ月後に施肥を行う。真冬と積雪期の施肥は不要。
芝刈り
- 芽が出て2週間後から芝刈りを開始する。この時は研いだ刃を使う。夏芝同様、「6cmになったら刈る」「刈りっぱなし」という原則で芝刈りをする。
草取りや除草剤は一切なく、芝刈りは4cmで刈りっぱなしです。